「わたしのマンスリー日記」第27回 亡き妻・憲子への想い(その2)・・・ それでも生きる!

谷川彰英 先生
 会葬御礼を拝読いたしました。お二人の歩まれた年月、日々の暮らし、そして静かに交わされた最後のお言葉に、胸が締めつけられる思いでした。奥様の優しさと、陰ながら支えてこられた深い愛情が行間から溢れており、読むほどに涙がこぼれました。
 何度もお返事を書こうとしましたが、哀しみの大きさを思うと、どんな言葉も薄く感じられ、筆が進みませんでした。今も拙い言葉しか綴れませんが、心よりお悔やみ申し上げます。
 そして、先生にメッセージを何度も書こうとしましたが、先生やご家族のお心を思うと、簡単には言葉が出てこなくて、未だ悲しみの中にいます。谷川先生が、私を苦しみから救ってくださったのは、側におられた奥様も一緒に私のことを想ってくださったからなのではないかと考えていました。
 ですから、奥様にお会いして、直接、感謝の言葉をお伝えしたいと思っていました。
 谷川先生と奥様は、私の、人としての尊厳を守ってくださり、自分を大切にすることを教えてくださったのだと感じています。
奥様は、天国で先生を優しく見守っておられると思います。奥様が寂しくないように、毎日、思い出して、語りかけてあげてください。
 9月は、休みをとって石川に行こうと決めました。
 谷川先生、約束です!
 必ず会いに参りますので、石川にいらしてくださいね!
 それまで私もがんばります!
                          山口小百合先生(鹿児島市立小山田小学校教頭)

 2024年1月に千葉県市原市で開催されたエンジン01のオープンカレッジで、私はコロナに感染してしまいました。その足で定期検査を兼ねた2週間の入院を余儀なくされました。私はコロナを甘く見ていたようです。というよりも正確に言えば、「ALS×コロナ=X」の方程式を完全に甘く見ていました。
 地獄のような苦しみを味わいました。苦しみの余り「このまま死にたい」とFacebookで漏らしたところ、すかさずある「友達」からコメントが入りました。
「死なないでください!」
 それが山口小百合先生でした。詳しくは前著『ALS 苦しみの壁を超えて──利他の心で生かされ生かす』(明石書店、2024年)で書きましたのでご覧いただきたいのですが、彼女も校内外の人間関係等で苦しんでおり、教頭職の辞表を出すまでに追いつめられていたようです。
 私は死の床にありながら必死にエールを送り続けました。その結果、彼女は辞表を撤回し、「地獄で共に花を咲さかせましょう!」との名言を残してくれました。苦しみの渦中にあって、まるで映画のドラマを見ているかのようでした。
 Facebook上の友達ですので、お会いしたことはありません。9月のエンジン01in加賀温泉で会えることを楽しみにしています。

関連記事一覧